衆愚政治 mobocracy 2004 8 20

 人気取りの政策は、必ず失敗します。
たとえば、8月19日の日本経済新聞には、このような記事があります。
「新宿の西富久の土地には、
旧日本債券信用銀行など複数の銀行が、
総額数百億円の融資をつぎ込んでいた。
ところが旧大蔵省が不動産向け融資を抑制させる『総量規制』を導入。
資産デフレの中で融資の担保になっていた土地は、
1平方メートル約200万円から55万円に急落。
担保割れで融資は不良債権化し、
地上げ途中の土地は、そのまま塩漬けになった。
 土地神話を背景に膨らんだ不動産担保融資は、
地価下落で巨額の不良債権に姿を変えた。
銀行は、公的資金注入を受け、
金融再編を繰り返しながら、その処理に10年の歳月を要した。」
 当時は、不動産価格の高騰を悪者にし、
これを退治するということで、人気取りをしたのでしょうが、
人気取りの政策は、必ず失敗します。
大衆迎合が度を過ぎると、どうなるかという失敗例でしょう。
これは、衆愚政治の一例となりました。
 日本において、不動産価格は、株価の役割を果たしていました。
たとえば、アメリカにおいて、株価を下げる政策を実施したら、どうなったでしょうか。
日本においては、そういう政策をやってしまったのです。
 1980年代、日本経済は世界最強と言われていました。
そこで、外国の人たちは、日本経済の強さの原因を研究しました。
そして、日本経済の富の源泉は、土地の価格にあると気づきました。
 確かに、バブル経済の時は、多くの問題が発生しました。
しかし、日本の富を持って、世界を救えたのです。
アジアの発展、中東の復興、アフリカの救済に貢献できたのです。
 今、こうした救済をできる国は、一つもありません。
残念なことですが、世界経済は、迷走を続けるかもしれません。
発展途上国は、経済で苦しむか、あるいは自助努力しかないと気づいて自力でいくか。
いずれにせよ、誰も助けに来てくれないことに気づくでしょう。
 後の祭りですが、
日本のバブル経済という繁栄を、世界を救うために使えたのです。










































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